フォルケホイスコーレ

2020年9月中旬から2021年2月末まで、ヴェストユランホイスコーレという成人高等学校で学んでいたのだけれど、全くブログの存在を忘れて学生生活を楽しんだ。ブログを書く時間がなかった訳ではないけれど、平日は午前午後と授業、さらにイブニングイベントがあったり、週末はパーティやイベントがあって、予想以上に充実した学生生活だった。

まずフォルケホイスコーレって何?と思う人が大半だと思うので、ここではデンマークの成人高等学校について、そして私が行っていたヴェストユランホイスコーレについて書きたいと思う。


①フォルケホイスコーレとは

②ヴェストユランホイスコーレとは

 【1】特徴

 【2】1日のスケジュール

 【3】ディスカッション

 【4】パーティ文化


①フォルケホイスコーレとは

デンマーク語でHøjskole(英語だとFolk Highschool)という、17.5歳以上なら国籍関係なく誰でもが入学できる全寮制の成人高等学校。ちなみに私が行った学校では60代くらいの女性2人がポーランドから来ていたよ。

特徴としては、学校に入るための入試や、授業内での評価というものが一切ない。そして民主主義的思考を育てるための学校。

デンマークには約70校のホイスコーレがあるが、それぞれアート、スポーツ、福祉、哲学など、特定の分野に特化している。自分の好きな科目や興味のある科目を好きに選択することができる。

現地のデンマーク人だと、高校を卒業してこれからの進路について考えたい人、一度社会に出たけれど自分のやりたいことが分からなくなった、など人生を見つめ直すために通う人が多いよう。

実際、私も30歳を手前にこれからの人生をどうしようか、自分は何をしたいのかを見つけるためにフォルケホイスコーレに行くことを決めた。

詳しく知りたい人は各ホイスコーレの情報をまとめているIFASのサイトを見るのをお勧めするよ。


②ヴェストユランホイスコーレとは

【1】特徴

私が入学したヴェストユランホイスコーレ(Vestjylland Højskole)の特徴について書いていきたい。

授業の特徴として、大きく分けると演劇、アート、音楽、サスティナビリティ、アウトドアの5つかな。学生は80名近くいて、そのうち10人(日本5名、フランス2名、ベルギー2名、イタリア1名)が留学生で、初めてマイノリティを実感した学生生活でもあった。

私のメイン科目は、サスティナビリティの中から、パーマカルチャーデザインとプラクティカルパーマ、マーケットガーデニング。それから留学生が受けられるデンマーク語のクラスを選んだよ。

ここでもパーマカルチャーとは何ぞや?という人が大半だと思うのですが、ここではさくっと説明すると、自然のエコシステムを活用して人間と自然が共存して生活していくサスティナブルな暮らし方。って言ってもピンと来ないかもしれないので、また別の機会に書きますね。

授業では主にガーデニング作業が多かった。校内のオーガニックガーデンで野菜の収穫したり土を耕したり、栄養豊富な良い状態の土について学んだり、みみずコンポスト(堆肥)を作ったり、雨水を活用した池を作ったり、、、。と体力仕事が多くて、最初の数週間は毎日疲れ果てていたな。。(笑)

ちなみに授業は英語とデンマーク語。先生によるけれど、デンマーク語で進める先生の場合は、近くのデンマーク人学生が通訳してくれる。デンマーク人はほとんどが英語ネイティブレベル。羨ましい。

【2】1日のスケジュール

だいたい平日1日のスケジュールとしては、こんな感じ。

7:30‐8:15 朝食

8:30‐9:15 朝礼

9:30-12:45 午前授業

12:00-12:45 昼食

13:30-16:30 午後授業(15:00からコーヒーブレイク)

18:00‐18:45 夕食

20:00‐22:00 アクティビティ/イベント

授業ですでにクタクタだった私は夜のイベントをスキップすることもしばしば。参加するしないは個人の自由。参加しなかったからと言って何か言われるわけではない。

ちなみに朝礼は毎日参加必須で、ほぼ毎日みんなで歌を歌ったよ。ホイスコーレソングブックがあって、音楽の先生が楽器を弾いてくれて、みんなで歌った。教会の讃美歌みたいなイメージ。デンマーク語の歌が多くてついていくのが大変だったけど、分からない単語をデンマークの友達に聞いたりしてコミュニケーションが生まれたし、なかなか好きな時間だった。


【3】ディスカッション

毎週水曜日の朝礼はあるトピックについてみんなでディスカッションした。民主主義的思考を育てることをコンセプトとしているホイスコーレ。また、デンマークのカルチャーとして、対話を重要視していることが実感できた。

ただ、私は日本語ですらディスカッションなんぞ苦手だったから、人の話を聞くのは好きだけれど、自分が話すとなるとちょっと苦痛だった。

日本人だからか、つい正解を探してしまって、大半の人と違う意見を持っていたらなんだか自分が間違っていると思ってしまっていた。

けれど、ディスカッションと言っても、答えを出さなきゃいけないとか、そういうことではなくて、ただ自分の感じていることを共有しよう。という感じで、自分の意見や感じたことが、正しい/間違っているとか、そんなことは誰も気にしていない。だから時には安心して話せるときもあった。

デンマークはジャッジしない文化。だから自由に自分の思ったことを話していいんだという安心感はあるし、とても素晴らしい文化だと思う。


【4】パーティ文化

デンマーク人はお酒を飲みながらみんなでワイワイパーティをするのが好き。ヴェストユランホイスコーレでは毎週のようにパーティがあった。パーティコミュニティが作られ、毎回テーマを決めてそれに向けて短時間でみんな準備して、なんだか文化祭が毎週あるかのようだった(笑)

テーマについて例えば、ダイナソーだったとき、みんなでグリーンの服探してきて、顔にペイントメイクしたりして、パーティに向かう姿勢がみんなすごかった。授業終わってから、パーティ当日に本気で準備して、本気でパーティを楽しむというデンマーク人の姿勢、すごく好き!

ただ私はそこに向ける体力もなければ、お酒も好きではないから、参加したのは数回。(笑)

それでもパーティはとても楽しかった思い出のひとつ。

デンマークは寒い国だからというのもあるが、お酒を飲む文化。仕事前に一口強いお酒を飲んで、体を温めてから外に出る人もいるとか。

そういえば、ホイスコーレでお酒飲まないってデンマーク人、ほぼいなかったと思う。(笑)

学校が終わり、ひと段落した今、ヴェストユランホイスコーレで過ごした5ヶ月を振り返りながらブログを再開したいと思う。

時差あるけれど、ホイスコーレの雰囲気や、デンマークについて何か伝えられたらいいな。


Earth Conscious Life

地球にやさしいってことは 自分にもやさしいってこと。 To be kind the planet means, to be kind to yourself too.

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